鮮やかな緑色と瑞々しい新緑の香りが特徴的な日本茶(緑茶)は、全国各地で栽培されています。それだけに、「お茶の産地を生産量の多い順にあげてください」と言われても、正確に答えられる方は少ないかもしれません。

この記事では、日本有数のお茶処を生産量順にランキング形式で紹介します。後半は一番茶~四番茶、秋冬番茶の違いについても触れていますので、お茶選びの参考にしてみてください。

【県別】お茶の生産量ランキング

お茶を名産品としている地域は、日本各地に点在します。最も有名なお茶処は、静岡県ですが、静岡県より遠く離れた九州や四国にも数多くあります。

この項目では、お茶の生産量が多い順に有名な産地を紹介します。栽培・流通しているお茶の種類など、同じお茶処でも特徴はさまざまです。

各県の生産量は、農林水産省発表の令和元年時点のデータ「生葉収穫量 及び荒茶生産量」を参考としています。

出典:「令和元年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)」(農林水産省)
(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/attach/pdf/index-88.pdf)

1位静岡県

日本で最もお茶を生産している県は、年間生産量29,500tにおよぶ静岡県です。日本のお茶の約40%を県内で生産しています。
総称として静岡茶と呼ばれることもありますが、東部と西部で主に栽培される種類は異なります。

地域ごとに作られているお茶は、それぞれ以下のとおりです。

・東部…沼津茶、富士茶、裾野茶
・中部・・本山茶、両河内茶、藤枝茶
・西部…掛川茶、小笠茶、天竜茶

他にも玉露やかぶせ茶、煎茶が生産されており、地域によって多種多様のブランドが確立されています。

2位鹿児島県

九州エリアも、多くのお茶処が点在しています。静岡県に次いで高い生産量を誇る県は、年間28,000tを記録する鹿児島県です。

日本の国土では沖縄の次に南部へ位置することから、日本一早い新茶の産地でもあります。温暖な気候の助けもあり、4月上旬には新茶の摘み取りが始まる地域です。恵まれた気候に加え、平坦な茶園で茶摘みが効率化されているため、全国2位の生産量となりました。

鹿児島県で楽しめるお茶の種類で最も有名なものは、以下の3つです。

・知覧茶
・頴娃(えい)茶
・枕崎茶

2007年に3つの町が合併し、知覧茶と頴娃(えい)茶の産地は同じ南九州市となりました。2017年4月より同じく合併した川辺町名物のかわなべ茶とともに、3種類は「知覧茶」ブランドへ統一されています。

3位三重県

静岡県と同じく東海エリアに位置する三重県も、お茶の生産が盛んです。5,910tにもおよぶ生産量を誇り、「かぶせ茶」は全国シェア率の約30%を三重県が占めています。伊勢茶の名でも広く知られている、歴史の長い地域です。

煎茶を主体としている三重県の特徴は、南北エリアでそれぞれ生産されるお茶が異なっている点です。気候を最大限に生かし、主に以下のようなお茶が作られています。

・北勢地方…かぶせ茶
・南勢地方…深蒸し茶

かぶせ茶は日光を遮って栽培することで、甘みの強い味わいに仕上がったお茶です。茶葉の生産時に蒸す工程があり、一般的な煎茶よりも蒸し時間を長くとったものが南勢地方でよく見られる深蒸し茶です。

4位宮崎県

大規模な機械化を進めた結果、年々生産量を増加させている地域が宮崎県です。年間3,510tの生産量にもおよぶお茶は、煎茶を中心に玉露や炒り茶などが作られています。

一般的な緑茶の製造は茶葉を蒸す工程がありますが、炒り茶は釜で炒る工程へ変えたものです。宮崎県全体で「宮崎茶」としてブランド統一する動きがありますが、北部は伝統的な炒り茶の製法が残っています。

宮崎県の主な産地は、以下の4エリアです。

・高千穂、五ヶ瀬
・川南
・都城
・串間

北西の山間部に位置する高千穂、五ヶ瀬は5月上旬に茶摘みが行われ、南部に位置する串間では4月中旬ごろに茶摘みが始まります。

5位京都府

年間2,900tの生産量を記録した京都府が、ランキング5位を飾りました。抹茶の生産量のみを見ると、全国1位です。

宇治田原町が運営する情報サイトによると、「夏も近づく」の歌い出しで有名な茶摘み風景を表した歌は、京都府の宇治田原町が発祥であるという説があります。

一大ブランドの宇治茶を代表に、品質の良い高級銘柄が数多く作られている地域です。煎茶の基本的な製法である「蒸した茶葉を揉んだ後に乾燥させる」という工程は、江戸時代に宇治で誕生しました。

国内のお茶の現状

農林水産省の統計情報によると、国内の茶葉栽培面積は、平成27年~平成29年の間に以下のとおり変化しています。

地域 平成27年 平成28年 平成29年
静岡県 17,800 ha 17,400 ha 17,100 ha
鹿児島県 8,610 ha 8,520 ha 8,430 ha
三重県 3,040 ha 3,000 ha 2,950 ha
宮崎県 1,450 ha 1,420 ha 1,410 ha
京都府 1,580 ha 1,580 ha 1,570 ha

5つの県すべてで、栽培面積が減少傾向にあります。理由のひとつは、生産者の高齢化が進んだことがあげられます。継承者の不在問題により、家族経営などの零細茶園を中心に年々減少を見せる結果となりました。

また、「小区画茶園」や「傾斜地茶園」など条件が不利な茶園も廃園が進行しており、減少に拍車をかけています。

平成23年4月、このような近年の現状を背景に、政府もお茶文化の維持や海外輸出による消費拡大を目的とした「お茶の振興に関する法律」を施行しました。

お茶の生産推移

お茶には一番茶から四番茶まであり、近年は秋冬番茶も注目を集めています。生産地ごとの栽培面積を見ると減少傾向が見られますが、お茶の収穫時期ごとに生産推移を見ると、中には増加傾向のお茶もあります。

最後に、一番茶~四番茶、秋冬番茶それぞれの特徴とともに、近年の生産量を紹介します。茶摘み時期によって味わいが異なるため、お茶選びで迷ったときの参考にしてみてください。

一番茶

一番茶は、「一年で最初に摘まれるお茶」のことをさします。4月から5月にかけて摘まれ、最も品質の良いお茶として人気です。「新茶」の名でも知られています。

一番茶の近年における生産量は、以下のとおりでした。

・平成27年…32,530t
・平成28年…31,515t
・平成29年…30,192t

お茶の旬を感じられる爽やかな香りと、新鮮な味わいが特徴的です。茶摘みの時期は、鹿児島県など温暖な地域から徐々に北上していきます。

二番茶

一番茶を摘み取った後、約45~50日経ってから摘まれるお茶を二番茶と呼びます。九州の早い地域では5月下旬ごろから、その他の地域では6月ごろに摘まれます。

最初に摘む一番茶と比較すると栄養や風味が劣り、カテキンやカフェインが多くなることが特徴です。そのため、一番茶よりも苦みを強く感じる味わいのお茶が抽出されます。

近年の二番茶の生産量は、以下のとおりです。

・平成27年…23,620t
・平成28年…20,285t
・平成29年…20,963t

二番茶以降のお茶は、総じて番茶と呼ばれ、一番茶よりも葉が固くなり、成分が抽出されにくいため、高い温度のお湯で抽出します。

三番茶

二番茶収穫の更に1か月後に摘み取られるお茶が、三番茶です。二番茶と比較しても栄養や風味が減っており、カテキンによる強い苦みを感じられます。

渋みも強くなるため、お店によっては強火で仕上げて香ばしさを引き出したお茶を三番茶(番茶)として販売する場合もあります。

近年の三番茶の生産量は以下のとおり、意外にも増加傾向です。

・平成27年…5,801t
・平成28年…6,312t
・平成29年…7,053t

一方で、翌年の茶葉の品質を落とさないために、あえて二番茶や三番茶を摘み取らない茶園もあります。

四番茶・秋冬番茶

三番茶よりも更に日数の経ったお茶で、9月から10月にかけて摘まれます。一番茶に比べると品質は劣りますが、安価で手軽に購入できるというメリットを持っているお茶です。

秋冬番茶は、三番茶を摘まずに四番茶のタイミングで摘み取ったものをさします。秋から冬へ季節が変わる時期の新芽を摘み取ることから、秋冬番茶と呼ばれています。

四番茶・秋冬番茶の生産量は、近年以下のとおりでした。

・平成27年…18,534t
・平成28年…20,458t
・平成29年…22,022t

リーフ茶向けの一番茶は質が良いため高価なものが多く、生産量は減少しています。安価で手軽に購入できる三番茶・四番茶・秋冬番茶は生産が増加傾向にあり、需要も増加傾向を見せています。

まとめ

お茶の生産量が最も多い県は、静岡県です。また、ご紹介した5エリアの他にも福岡県の八女茶など、日本各地にはさまざまな種類のお茶を生産する茶園が点在しています。

種類の他にも、お茶の風味は摘み取られる時期や製造工程の違いによっても大きな差が生まれるものです。新茶の甘味を好む方が多いように、苦みや渋みが強くなる三番茶や四番茶を好んで飲む方も少なくありません。

さまざまな地域のお茶を銘柄、摘み取り時期、製造工程など、さまざまな視点で飲み比べてはいかがでしょうか。

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